Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しおばな

塩花

豊島 与志雄

Lisez 塩花 (しおばな) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 421 caractères · 25 écrans

Aozora Bunko

それはすべてに於てそうだ、と彼は漠然と咄嗟に感じた、然しそれは恋愛を妨げるものではなかった。

「私のことも、いろいろお話ししたいし、あなたのこともいろいろお聞きしたいし、とにかく、あなたの身の上のことを聞かして下さいませんでしょうか。」

彼女は立ち上った。その額や頬から血の気が引いて、緊張した皮膚が透明なまでに冴えた。そして刺すような眼眸で、じっと彼を見下した。それに彼は対抗出来ず、すぐに眼を伏せて、灰の中をやけに掻き廻した。ひどい失策をしたように感じた。

子供が笊をさげて走って来た。

千枝子と子供は、残りの芋を笊の中に入れた。そして、彼女は青磁の鉢を持ち、子供は笊を持った。

「わたくし、そのようなことは一切、お話しできません。」と彼女は言った。

それは先刻の言葉に対する返事だと、山口にも分った、そしてその返事を、彼は独り藁灰のそばで噛みしめた。灰の中には、まだ二つ三つの小さな芋が残っていた。彼はそれを拾いあげたが、すぐに投げ捨てた。

すると局面が変ったのを、彼は感じた。彼は彼女の姿を思い浮べた。お召の着物や刺繍の帯に、汚れた芋俵を抱えていた彼女、青磁の鉢に、灰まみれの焼芋を盛った彼女、その無頓着なやり方が、ただ愛すべき子供っぽさに思われた。