Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かわる
変る
豊島 与志雄
Lisez 変る (かわる) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 972 caractères · 14 écrans
壁と天井が白く塗ってあるので、狭い屋内は妙に明るく見えるが、数個の電灯の燭光はさほど強くない。柱の籠に投げ入れてある桃の蕾と菜の花の色も、季節に早いせいばかりでなく、へんに淡い。だが、木下大五郎の存在は目立った。帽子と外套の襟及び袖の折返しに、薄茶色の絨毛がもりあがっている。その色ではなく、そうした服装が、季節後れというよりも、なんだか場違いなのだ。ひいては、彼の存在そのものまでが場違いなのである。
その場違いなものを、大五郎はかすかに感じながら、また誇りともしていた。眼には穏かな光があった。残り少ない銚子の酒を、小さな盃で一杯ぐっと飲んで、隣席の男の横顔をじっと眺めた。
長髪に眼鏡、可なりいたんだ背広と外套の痩せた中年の男だった。新聞か雑誌に関係の者らしい。
「君の顔は立派ですな。中高で、何より、鼻が高く、ギリシャ型というんですか……。そこにいくと、僕の顔なんか、どうも……。」
大五郎は、帽子の絨毛と同じ色の手袋を、呑み台の上に投げ出していたのへ、ちょっと手をやり、その手ですぐ、日焼けのした頬を撫でた。
相手の男は、ちらと見返しただけで、煙草をふかしながら、ちびりちびり飲んでいる。