Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なつのそうれつ
夏の葬列
山川 方夫
Lisez 夏の葬列 (なつのそうれつ) de 山川 方夫 (やまかわまさお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 60 161 caractères · 122 écrans
いくら居睡りをしていても、不思議に、ぼくは二宮を乗り越したことはいっぺんもなかった。ぼくの毎日はそのようにしてつづいた。
それは、三月になろうとするある朝のことだ。玄関をまわってぼくがいつもの小部屋のドアをひらくと、年長の同僚の一人が、
「やあ、……知ってる? 動員が終るんだってさ」
とほがらかに声をかけた。ぼくはびっくりした。
「ほんとですか? じゃ、みんな、帰ってくるんですか? ここに」
最年長の同僚が、いつもながらのいささかシニックな微笑とともに答えた。
「本当ですよ、来月の一日から、だからみんなもこっちへやってきますよ。先生もね」
ぼくは、同僚たちがにわかに日が射してきたみたいに、そろって明るくはしゃいでいるのが、まるで理解できなかった。……いま思えば、かれらはたぶん、動員されていた中学生らといっしょに、勉強が――つまり、具体的には「試験制度」が学校にかえってくるのを歓迎していたのだ。かれらの欠陥は学問ではなく肉体にあったのだし、それは、ほんらい学生としてのそれより工員としてのそれだとして、むしろかれらは自負をさえ抱いていたのだから。
だが、ぼくはあたえられていたこの孤独で気ままな休暇と、そこにあるていど構築し、安定しかけていた自分なりの秩序の消滅とに、ひとつも愉快な気分にはなれなかった。