Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よあけまえ

夜明け前

島崎 藤村

Lisez 夜明け前 (よあけまえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 105 172 caractères · 206 écrans

Aozora Bunko

やがてそれは元参議江藤新平らの位階褫奪となり、百三十六人の処刑ともなって、闇の空を貫く光のように消えて行ったが、この内争の影響がどこまで及んで行くとも測り知られなかった。

時には馬、時には徒歩の旅人姿で、半蔵が東京への道をたどった木曾街道の五月は、この騒ぎのうわさがややしずまって、さながら中央の舞台は大荒れに荒れた風雨のあとのようだと言わるるころである。

四

「塩、まいて、おくれ。

塩、まいて、おくれ。」

木曾街道の終点とも言うべき板橋から、半蔵が巣鴨、本郷通りへと取って、やがて神田明神の横手にさしかかった時、まず彼の聞きつけたのもその子供らの声であった。町々へは祭りの季節が来ているころに、彼も東京にはいったのだ。

時節がら、人気を引き立てようとする市民が意気込みのあらわれか、町の空に響く太鼓、軒並みに連なり続く祭礼の提灯なぞは思いのほかのにぎわいであった。時には肩に掛けた襷の鈴を鳴らし、黄色い団扇を額のところに差して、後ろ鉢巻姿で俵天王を押して行く子供の群れが彼の行く手をさえぎった。時には鼻の先の金色に光る獅子の後ろへ同じそろいの衣裳を着けた人たちが幾十人となくしたがって、手に手に扇を動かしながら町を通り過ぎる列が彼の行く手を埋めた。