Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいしかんのしまつきかん

大使館の始末機関

海野 十三

Lisez 大使館の始末機関 (たいしかんのしまつきかん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 934 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

1

ずいぶんいい気持で、兵器発明王の金博士は、豆戦車の中に睡った。

睡眠剤の覚め際は、縁側から足をすとんと踏み外すが如く、極めてすとん的なるものであって、金博士は鼾を途中でぴたりと停めたかと思うと、もう次の瞬間には、

「さて、この大使館では朝飯にどんな御馳走を出しよるかな」

と、寝言ではない独り言をいった。

博士が、年齢の割にかくしゃくたる原因は、一つは博士の旺盛なる食慾にあるといっていい。

目の前に押釦が並んでいた。

押釦というものは便利なもので、それを指で押すだけで、大概の用は足りてしまう。以前、博士のところへ、新兵器の技術を盗みに来た某国のスパイは、博士のところにあった押釦ばかり百種も集めて、どろんを極めたそうである。

閑話休題、博士が、その押釦の一つを押すと、豆戦車の蓋がぽっかり明いた。博士はその穴から首を出して左右を見廻した。

「やあやあ、この豆戦車を明けようと思って、ずいぶん騒いだらしいぞ」

この豆戦車は、某国大使館の一室に、えんこしているのであった。部屋の寝台は、片隅に押しつけられ、床には棒をさし込んで、ぐいぐい引張ったらしい痕もあり、スパンナーやネジ廻しや、アセチレン瓦斯の焼切道具などが散らばっていた。