Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいしかんのしまつきかん

大使館の始末機関

海野 十三

Lisez 大使館の始末機関 (たいしかんのしまつきかん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 934 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

とんだ仕掛のあるインチキ盃だった。

「どうじゃ、美酒じゃろうが、もう一杯、いこう」

「さいですか。どうもすみませんねえ」

金博士は、またも盃になみなみ注いでもらって、老師と共に乾盃をくりかえした。

こんなことが三回続けられた。そして、老師の持てる盃は、一回毎に重くなり、そして三回目には、穴の入口まで酒が上ってきた。もうこの上は入らない。

やがて朝餐は終った。

「仲々いい庭園じゃろうが。ちと散歩をしてきたらどうじゃ」

「はい。では老師先生」

金博士は、日頃のつむじまがりもどこへやら、まるで人がちがったように師の前には従順となり、庭園へ出た。

「老師は、いらっしゃらないので……」

「ああ、わしはちょっとソノ……食事のあとで用を達すことがあるので、そちだけでいってくれ」

「は。では、散歩をして参りましょう」

金博士は、石段づたいに芝地に下り、そして正確なる歩速でもって、向うの方へ歩いていった。

「老師、うまくいったようですな」

卓子の下から、醤があの長いへちまのような額をぬっと出した。

「叱ッ。ボーイが、こっちを向いている。いやよろしい、窓の方を向いた。……いや、醤どの、うまくいったよ。