Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまとこじふうぶつし

大和古寺風物誌

亀井 勝一郎

Lisez 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) de 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 647 caractères · 215 écrans

Aozora Bunko

しかしそれよりも私に鮮かな感銘を与えたのは、この数年来の大和の春の旅である。私の故郷ではむろんのこと、東北でも武蔵野でも味うことの出来なかった全く別の春を、即ち古典の春を私ははじめてそこで知ったのである。故郷の海辺も山国の若葉も忘れられないが、春がくるとつい大和へ旅立つようになった。塔と伽藍と築地と、その奥に佇立する諸々のみ仏が私を否応なしに招くのだ。美への憧ればかりでなく、何か信心のようなものが次第に芽ばえてきて、一年に一度は礼拝しないと気にかかる。尤も最初のうちは尢もらしい名目を捨て去ることは出来なかったが、近頃ではそういう気持もなくなった。殊更に何かを考えるということもなく、ただ散歩の延長のようなつもりで、旅の誘いのまにまにぶらりと家を出る。素朴なひとりの旅人であればそれでいいと思うようになった。とくに春はこの気持がつよい。獲物を漁るようなつもりで古典の地へ行きたくないものだ。その時その折の直ぐな心でみ仏に対すれば、仏像は何の拘りもなく抱擁してくれる。つまり私の春のアルバムには、仏という新しい光りがさしはじめたのである。

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奈良近郊でも私のとくに好ましく感じたところは薬師寺附近の春であった。