Classiques japonais avec furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lisez 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) de 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 647 caractères · 215 écrans
ところで東大寺炎上の悲劇はこの夜に起ったのである。次に「平家物語」の壮絶な描写を掲げよう。
「夜軍に成て、暗は暗し、大将軍頭中将重衡、般若寺の門に打立て『火を出せ』と宣ふ程こそ在けれ。平家の勢の中に播磨国の住人福井庄の下司、次郎太夫友方と云ふ者、楯を破り続松にして、在家に火をぞ懸けたりける。十二月二十八日の夜なりければ、風は烈しく、火本は一つなりけれども、吹迷ふ風に、多くの伽藍に吹きかけたり。恥をも思ひ、名をも惜む程の者は、奈良坂にて討死し、般若寺にて討れにけり。行歩に叶へる者は、吉野十津川の方へ落ゆく。歩もえぬ老僧や、尋常なる修業者、児ども女童部は、大仏殿、山階寺の内へ我先にとぞ迯行ける。大仏殿の二階の上には、千余人昇り上り、敵の続くを上せじと階をば引てけり。猛火は正う押懸たり。喚叫ぶ声、焦熱、大焦熱、無間阿鼻の焔の底の罪人も、是には過じとぞ見えし。
興福寺は淡海公の御願、藤氏累代の寺なり。東金堂に坐ます仏法最初の釈迦の像、西金堂に坐ます自然湧出の観世音、瑠璃を並べし四面の廊、朱丹を交へし二階の楼、九輪空に輝きし二基の塔、忽ち煙となるこそ悲しけれ。