Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおとりものせんにんつぼ
大捕物仙人壺
国枝 史郎
Lisez 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 606 caractères · 97 écrans
どうやら小石ではないらしい。手を差入れて引き出して見た。土にまみれた小さい壺が、その指先につつまれていた。
「なんだえこれは壺じゃアねえか。呆れもしねえ莫迦にしていやがる。小判の箱かと思ったに。天道様も聞こえませぬ。一体どおしてくれるんだい。旅費を使って江戸くんだりから、わざわざ甲府へ来たんじゃアねえか。巫山戯ているなあ、え、本当に。……だが待てよ、そうも云えねえ。これに秘密があるのかもしれねえ。形は小さい壺ながら、忽然化けて千両箱となる。なあんて奇蹟が行なわれるかもしれねえ。よしよしともかく宿へ帰り、仔細に調べることにしよう」
で、鍬を川へ投げ捨て、壺に着いている土を払うと、懐中へ納めて歩き出した。
夕飯を食べ風呂へ入り、床を取らせると女中を退けた。
それから壺を取り出した。ためつすがめつ調べたが、何の変った所もなかった。丈三寸、周囲三寸、掌に載る小壺であった。焼にも変った所がない。ただし厳重に蓋が冠せてあって、取ろうとしてもなかなか取れない。
「つまらねえなあ。虻蜂とらずだ」
小言を云いながら振って見たが、中には何にも入っていないと見え、コトリとも音はしなかった。