Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lisez 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 214 131 caractères · 423 écrans
ただ一つ変っているのは、この主人がてんぼうであったことだけであります。
どうしたわけかこの床の主人には右の片腕がありません。滅多には店へ出て来ないけれども、職人小僧の使いぶりは上手であるらしい。
この床屋の店先で、
「どうです、皆さん、大きな声では読めねえがこんなものが出ましたぜ」
「何でございます」
「まあ、読むからお聞きなさいまし」
「聞きやしょう」
懐ろから番附様のものを取り出して、お客の一人が、
「ようございますか、恐れながら売弘めのため口上……」
「なるほど」
「此度徳川の橋詰に店出仕り候家餅と申すは、本家和歌山屋にて菊の千代と申弘め来り候も、此度相改め新製を加へ極あめりかに仕立趣向仕り候処、これまで京都堺町にて売弘め候牡丹餅も少し流行に後れ強慾に過ぎ候、三条通にて山の内餅をつき込み……」
「ははアなるほど、御養君の一件だね、誰がこしらえたかたいそうなものを拵えたものだが、うっかりそんなものは読めねえ」
「ナニ、御威勢の盛んな時分ならこんなものを拵える奴もなかろう、拵えたって世間へ持って出せるものではねえが、何しろ今のような時勢だから、公方様の悪口でも何でもこうして版行になって出るんだ」