Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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たいしゅうぶんげいさほう

大衆文芸作法

直木 三十五

Lisez 大衆文芸作法 (たいしゅうぶんげいさほう) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 63 833 caractères · 126 écrans

Aozora Bunko

坂本慶次郎とかは、忽ち探偵小説となった。だから、探偵小説を創作すると云うよりは、寧ろ新聞記事の小説化と云った方が妥当であろうと思う。そして加之、事実を興味深く粉飾するために、何の小説にも一様に、護謨靴の刑事と、お高祖頭巾の賊とが現れ、色悪と当時称せられた姦淫が事件の裏に秘んでいるのに極まっていた。

以上のような、程度の低い、探偵小説は、やがて、当然行き詰らざるを得なかった。そうして、それに代って、冒険小説が勢力をもち始めた。

此処に冒険小説とは、大人子供の如何に拘らず、興味深く愛読出来る冒険談、或は探険談と呼ばるべき種類のものを指すのである。それ等探険小説、或は冒険譚というものは、日本の嘗ての要素に全然無かった種類のものを含んでおって、小説そのものも、事件それ自身も、当時の人々の未知のものであり、無経験のものであり、空想だにもしなかったものであった。換言するならば、当時、日本の文芸にとって、全く新しき境地であり、開拓地であったのである。宜なり、当時の新らしき文学を理解し、信奉する、主として若き、新進気鋭の徒は、悉くその方に走ったのであった。

「地底旅行」