Classiques japonais avec furigana
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たいしゅうぶんげいさほう
大衆文芸作法
直木 三十五
Lisez 大衆文芸作法 (たいしゅうぶんげいさほう) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 63 833 caractères · 126 écrans
という原則を破ってはならぬ。
之を、芸術小説の例に取っても、菊池寛の作品が一般に持てはやされるのは、その一面に於て、明らかに彼の明快にして適確な、無駄のない文章が与って力ありと謂わねばならない。もし、難かしい文章と明快な文章との価値比較をするような者があるとすれば、夫は全く無用なことで、馬鹿の至りであろう。何故なら、名文とは、難渋な表現、難解な形容詞を使った文章をのみ指すのでは絶対に無いからである。話すように書くことは、一見あたかも最も平易に見えるが、事実は、反対に最も困難なことであるのを、諸君は知るであろう。
最後に、今一つ注意すべきことは、平易な文章というのは、自分の文章の特色を没却することを意味するのでは断じてない、ということである。矢田君に、文の独特の明快さがあるとすれば、吉川君にも亦彼自身の明快さがある。よき文章家には、必ず隠そうとして隠し切れないであろう特色が、自らその文章に浮び出るものである。要は明快であることだ。だが、これは一般論であって、その小説から文章だけを切り放して、内容と別個のものとして論じることは不可能なことである。以下、私は各論にはいるのであるが、そこで各種類の中に、内容と文章とを合せて詳論したいと思っているから、ここではこれ位に止めることにしよう。