Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおさかをあるく

大阪を歩く

直木 三十五

Lisez 大阪を歩く (おおさかをあるく) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 964 caractères · 65 écrans

Aozora Bunko

牛肉店は、店を入って左側にある。私は、一番大きい――だが、金五円しかしないのを送ろうとしたら、店員が「品切れです、五円のは」と、云った。「じゃあ、三円のでもいい」(実際、三円のでも大きくて、十円位に見えるのである。愛人への贈物としては、確に、ダイヤの小さいのよりも、甚だ、適当している)「下に送る所がありますから、下へ行って下さい」

私は、その「下」が、何処にあるのか知らないし、三円で、そんな手数のかかるのは、面倒だから、黙って、立去った。店員は、ちらっと、私を見て、黙っていた。

私が、愛人の為に、下へ行くのを、おっくうがったのは愛人に対しても、又、店側に対しても、我儘であるにちがい無い。然し、私から云わせると、私の如き者の為にも、其処で、送り先を聞き、且つ書くべき設備をしても、デパートの恥ではない、と云いたいのである。

私は、しばしば、銀座の店員の店員らしくないことを、雑誌に書いた。実際、彼等は店員としての資格を、半分も備えていない。私は、商業上に於ける大阪商人という名称が、一種の軽蔑と共に、恐れをもって見られているように女給が、東京風のよりも、エロであるように、大阪の店員は、東京よりも、大阪独特らしく、もっと自分の商売に、熱心でありたいと思うのである。