Classiques japonais avec furigana
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てんしゅかくのおと
天主閣の音
国枝 史郎
Lisez 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 38 941 caractères · 79 écrans
そうして太い煙突が、簀子から天井を貫いて、屋根の上まで突き出ていた。と思うのは間違いで、実は夫れは煙突では無く、煙突の形をした何かなのであった。円周四尺直径一尺、総体が黒く塗られていた。そうして根元から五寸程の所に、斜めに鏡が嵌め込まれていた。
戸外に面した壁の一点に、棒のような物が突き刺されていた。その端が坐っている香具師の口の辺へ真直に突き出されていた。そうして其先が漏斗型をなし、矢張り黒く塗られていた。
簀子の上には様々の模型が、雑然紛然と取り散らされてあった。屋根の模型、大砲の模型、人形の模型、動物の模型、鳥の模型、魚の模型……そうして今日の飛行機の模型、そうして今日の望遠鏡の模型、そうして今日の竜吐水の模型……地球儀の模型、螺旋車の模型、軍船の模型、楽器の模型、磁石の模型、写真機の模型……玩具屋の店へでも行ったように、無雑作に四辺に取り散らされてあった。
「おおおおお侍さん何うしたんだい。場銭は取らねえ。お坐りなせえ。さて小林九兵衛の旦那、ようこそおいで下さいやした。どういう風の吹き廻わしか。中納言様にもお目通り致し、今日は可い日でございましたよ。