Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しっちょうき

失蝶記

山本 周五郎

Lisez 失蝶記 (しっちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 072 caractères · 44 écrans

Aozora Bunko

自分は紺野どのの介添として来たが、ばあいによっては助太刀をすると思ってもらいたい、吉川十兵衛。

およそこういう意味の文言であった。読み終った主計は振返って紺野かず子を見た。かず子は塵除けの被布をぬいで下僕に渡した。下は白装束で、手甲、脚絆、草鞋をはき、襷を掛けていた。

「待って下さい、紺野さん」と主計は呼びかけた、「これは間違いだ、杉永を斬ったのは事実だがそれには仔細がある、私はいま」

かず子は鞘ごとかいこんでいた脇差を、ゆっくりと抜いた。提灯の火をうけてその刀身が冷たい光りを放ち、かず子は鞘を下僕に渡した。

「私はいまその仔細を書いている」と主計は続けていた、「書きあげたらあなたに読んでもらいましょう、そのうえでなお私をかたきと思うならいさぎよく討たれます」

「吉川」と主計はこちらへ振向いた、「杉永とおれのことはおまえもよく知っている筈だ、なにか事情があるくらいのことは想像がつくだろう」

「谷川さんは耳が聞えないから、なにを云ってもむだだろうが」と吉川が云った、「家中の情勢がこう混沌としていては、釈明も弁解も役には立ちません、事実あったことで是非の判断をするほかはないでしょう、残念だが死んだ杉永さんのためにも、私は紺野さんに助勢をする、さあ、抜いて下さい」