Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しっちょうき

失蝶記

山本 周五郎

Lisez 失蝶記 (しっちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 072 caractères · 44 écrans

Aozora Bunko

けれども、杉永を斬るというあやまちをおかした理由は、この二年余日にわたる私の心の状態にあったので、どうしても知っておいてもらわなければならないのです。――夏の終りになって、耳がまったくだめだということがわかりました。それまでは一時的なものだと思い、医者にかかりながら、久しぶりに静養だ、などと暢気なことを云っていました。そのあいだにも、同志の会合があれば必ず出ていたのですが、話すことはできても耳がだめですから、議題はいちいち字に書いてもらわなければならない。それを読んでから自分の意見を述べるわけで、面倒でもあり時間もむだにするため、やがては、そのとき出た結論だけ読む、ということになったのです。

「そう長いことではないだろう」と私は云ったものです。「おれは暫くつんぼ桟敷にいるよ」

もちろん、そんな暢気なことを云っているばあいではなかった。密勅があって以来、禁裡付きの下房どのと、国許にあるわれら同志とのあいだで、絶えず情報の交換があり、それについての急を要する合議が繰り返されていたのです。奥羽連合の監視はますますきびしくなり、同志が集まるのにも、そのたびに場所や時刻を変えたり、三組に分れて集まり、あとで代表だけが結果を討議する、などということもありました。