Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 739 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

少女に恋し、その記憶を情熱を六十歳を越した後までも持ち続け、七十歳近くなって幾人かの孫のある老婆エステルを必死になって愛そうとし、パリの往来の石の上に坐ってさめざめと泣いたということであります。そして、「若し彼女に手紙を出すことを許されなかったら、そして時々彼女が手紙をくれなかったら、私はパリのこの地獄の中で死ぬだろう」と言い、皺だらけの婆さんエステルの足下に坐り、その膝に顔を載せ、その両手を握って死ぬことを命にかけて願って居るのです。

話が冒頭から余事に亙るようで、誠に恐れ入りますが、これだけのことを申し上げて置かないと、近江愛之助奴、出鱈目なことを言う――と仰しゃる方が無いとも限りません。

さて、私が此処に申し上げる和製ベルリオーズは、藤波金三郎といって、生れは秋田市の在とか言って居りました。明治の末に平民新聞を講読して、警察の黒表に載せられたり、素人離れのした歌を作って雑誌に発表したり、先代小さんに傾倒して、毎晩寄席へ行ったり、まあそう言った肌合の男で、明治末期の典型的なディレッタントの一人であったと言うのが一番ピタリとしているようです。

その男――藤波金三郎が、その頃一部の間に称えられた無抵抗主義に傾倒し、日露戦争に絶対反対の意見を持っていたので、到頭日本というものに愛想をつかして、ブラジルへ行く