Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 033 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

四

「あッ」

驚く美奈子嬢の前に、次の瞬間、二人は二匹の猛獣のように床の上に組んずほぐれつしていたのです。

拳銃は二三発射たれましたが、僅かに仙太郎の脚を傷つけただけで、腕力の強い仙太郎が、丹六を取っておさえた時、父親の皆川敬吉始め、多勢の奉公人達がドッと駆けつけました。

四

この時笠森仙太郎は、自分のカフスボタンが驚くべき力を持っていることを発見したのです。なんか窮迫した時、困惑疲憊した時、仙太郎はカフスボタンを嘗める習慣を持っているのですが、するとその瞬間から、事情はガラリと変って、常に笠森仙太郎が成功者となり、勝利者となることがわかったのです。

なんの因縁もなく、誰の形見に貰ったのでもない、貝細工のつまらないカフスボタン――特色といえば、大学以来十何年間、それを持ち続けたカフスボタンが、禍いを転じて福とするばかりでなく、全く想像もつかない魔力を発揮して、持主のために偶然を支配してくれようとは誰が想像するものでしょう。

それは千一夜物語りの不思議なランプだったのです。白紙の答案も、荒天のボートも、植込のなかから飛出した活劇も、考えてみるとカフスボタン――かつて銀座の夜店で求めた、一円五十銭のカフスボタンの魔力だとすると、ナポレオン一世も、豊臣秀吉も、こんなマスコットを持っていたのかも知れない――笠森仙太郎