Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 902 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

屋敷大奥の噂の種になっている果報男でした。

「木曾から、檜の良材が手に入った、其方一世一代の腕を揮って、等身の美人を彫って見ぬか」

「ハッ、有難い仕合せ、私も長い間それは念願いたしておりました」

「いささか俗でも、極彩色で、歌舞伎模様の恋に取詰めた女が宜いな、浦里、三勝、小春――いや、もっと激しい、もっと若々しい、――左様、八百屋お七はどうだ。私は絵で行こう、其方は彫物だ。出来上った上で、家中一統の者にいずれが勝れているか、鑑定させようではないか」

「私ごときが、――殿の御作と――」

「いや、遠慮は無用だ、その優劣は、遠慮のない入札で行くのじゃ、――面白いではないか」

日向守の国広は大変なことをいい出しました。浮世絵でも描こうといった殿様だけに、此人には妙に平民的な――その当時の大名にしては型破りの気易いところがあったのです。

「つきましては、御腰元の中から手本になる方を一人拝借いたし度う御座いますが」

「尤もなことだ。絵と異って彫物は、等身大となると手本が入要であろう。多与里、小浪、梅野のうち、その方望みの一人を貸しつかわす」

多与里、小浪、梅野は亀山屋敷の三人美女といわれた腰元で、殿の浮世絵のモデルにも使われていたのです。