Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きめんじょうのひみつ

奇面城の秘密/夜光人間

江戸川 乱歩

Lisez 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 150 254 caractères · 300 écrans

Aozora Bunko

もう三十メートルほど進んだのに、なにもあらわれないのです。

「井上君、なにもいないじゃないか。やっぱり、きみの気のせいだったかもしれないよ。」

野田君の声が、ぼそぼそと、ささやきました。

「へんだなあ。さっきは、たしかに、このへんの宙に浮いていたんだよ。」

井上君も、ささやきかえしました。そして、キョロキョロと、暗闇の中を見まわすのでした。

すると、そのときです。どこからともなく、へんな音が聞こえてきました。はじめは、もののすれあうような、えたいのしれぬ、かすかな音でしたが、耳をすましていますと、何者かが暗闇の中で、くすくすと、笑っているように感じられました。

七人の少年たちのうちの、だれかが笑っているのでしょうか。

「だれだ、笑っているのは?」

小林君が、おしころした声で、たずねました。だれも答えません。まっ暗で、おたがいの顔は見えませんが、笑っているのは、どうも少年たちの仲間ではないようでした。

そのうちに、くすくすという、しのび笑いが、だんだん、大きな声になってきました。たしかに笑っているのです。ひとをばかにしたように、笑っているのです。

とうとう、爆発するような大笑いになりました。