Classiques japonais avec furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lisez 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 150 254 caractères · 300 écrans
鉄格子のむこうでは、シャツ一枚の上山さんに化けた四十面相が、五本の指を、鼻のさきでヘラヘラやって、こちらをからかっています。
「ワハハハハ……、どうだい。四十面相のおくの手を見たか。おれはいつでも、けっしてつかまらないだけの用意がしてあるんだ。きみたちは、はやく古井戸へもどったほうがいいだろう。ぐずぐずしていると、まだまだ恐ろしいことがおこるかもしれないぜ。」
警官たちは、このまま、のめのめと、ひきかえすわけにはいきません。明智探偵に相談しようとして、あたりを見まわしましたが、どこにも、そのすがたが見えません。すがたといっても、夜光の首だけなのですが、それがどこかへ消えてしまって、うしろの洞窟の中にも見えないのです。
「ワハハハハ……。」
そのとき、四十面相の笑い声が、また、いちだんと高くなりました。
すると、それがあいずででもあったように、ふたたび頭の上に、ガラガラッという音がして、ガチャンと、鉄格子が落ちてきました。こんどは、警官たちのずっとうしろのほうで落ちたのです。
警官たちは、おどろいて、そのほうへかけだしていって、鉄格子をゆさぶりました。