Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よめとりにだいき

嫁取り二代記

山本 周五郎

Lisez 嫁取り二代記 (よめとりにだいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 763 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

ぎくりとしたお笛が、慌てて引こうとする手首を、勘兵衛は力任せに突放して、

「二三杯の酒に本性を出しおって、もう言訳は通るまいぞ、どうだ!」

「――――」

お笛はそこへ両手を突き、面を伏せたまましばらくは身動きもしなかったが、やがて静かに顔をあげて、

「恐入りました――」

と息詰るような声で云った、「始めからお謀り遊ばしたものなれば、今更何を申上げてもお取上げはなさりますまい、――けれど、ひと言だけ申上げまする」

「言訳なら聞くまでもないぞ」

「――ただお聞捨てくださりませ」

お笛は面を伏せて続けた、「直次郎さまからお聞及びかと存じまするが、わたくしは生れ落ちるとから父母の顔を知らず、元……屋敷に仕えていた松造と申す男の許で育てられました。父は越前家で馬廻りを勤めていましたとか、仔細のほどは存じませぬが殿の御勘気を蒙って切腹、母も共に自害いたしたと――松造の話に聞くばかり、その後事情あって卑しい世界に身を堕しましても、一日半刻として亡き父母を思わぬことはござりませんでした」

お笛はつきあげてくるものを抑えるように、しばらく声を呑んでいたが、

「武士の娘だ、父の名を汚してはならぬ、――どんな必至の場合にもこれだけは忘れず、そのために数えきれぬ苦しさ辛さを味いながら、操だけは汚さずに参りました。