Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans

Aozora Bunko

蓑浦君、地上の世界の習慣を忘れ、地上の羞恥を棄てて、今こそ、僕の願いを容れて、僕の愛を受けて」

諸戸は再び狂乱の体となった。私は、彼の願いの余りのいまわしさに、答える術を知らなかった。誰でもそうであろうが、私は恋愛の対象として、若き女性以外のものを考えると、ゾッと総毛立つ様な、何とも云えぬ嫌悪を感じた。友達として肉体の接触することは何でもない。快くさえある。だが、一度それが恋愛となると、同性の肉体は、吐気を催す種類のものであった。排他的な恋愛というものの、もう一つの面である。同類憎悪だ。

諸戸は友達として頼もしくもあり、好感も持てた。だが、そうであればある程、愛慾の対象として彼を考えることは、堪え難いのだ。死に直面して棄鉢になった私でも、この憎悪丈けはどうすることも出来なんだ。

私は迫って来る諸戸をつき離して逃げた。

「アア、君は今になっても、僕を愛してくれることは出来ないのか。僕の死にもの狂いの恋を受入れる情はないのか」

諸戸は失望の余り、オイオイ泣きながら、私を追駈けて来た。

恥も外聞もない、地の底のめんない千鳥が始まった。アア、何という浅間しい場面であったろう。