Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans

Aozora Bunko

そこは、左右の壁の広くなった、彼の洞窟の一つであったが、私は元の場所から五六間も逃げのびて、闇の片隅に蹲り、じっと息を殺していた。

諸戸もひっそりしてしまった。耳をすまして人間の気配を聞いているのか、それとも、壁伝いに盲目蛇みたいに、音もなく餌物に近づきつつあるのか、少しも様子が分らなんだ。それ丈けに気味が悪い。

私は闇と沈黙の中に、目も耳もない人間の様に、独りぼっちで震えていた。そして、

「こんなことをしている隙があったら、少しでもこの穴を抜け出す努力をした方がよくはないのか。若しや諸戸は、彼の異様な愛慾の為に、万一助かるかも知れぬ命を、犠牲にしようとしているのではあるまいか」

などと考えていた。とは云え、私も独りぼっちで、又闇の旅行を続ける気にはなれなんだ。

ハッと気がつくと、蛇は既に私に近づいていた。彼は一体闇の中で私の姿が見えるのであろうか。それとも五感の外の感覚を持っていたのであろうか。驚いて逃げようとする私の足は、いつか彼の黐の様な手に掴まれていた。

私ははずみを食って岩の上に横ざまに倒れた。蛇はヌラヌラと私の身体に這い上って来た。私は、このえたいの知れぬけだものが諸戸なのかしらと疑った。