Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まごしちとずんど

孫七とずんど

山本 周五郎

Lisez 孫七とずんど (まごしちとずんど) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 189 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

こうしていつか知らん白兵戦のなかを通りぬけ、やがてのことに敵の城門の前へゆき着いてしまった。冗談じゃないそんなばかなことが、……そう思ってつくづく見まわしたが、まさしく敵の城門の前に違いない、

「これはたいへんなことをした」孫七は思わずそう呟いた、「どうしよう……」

なんだかたいそう無作法なことをしでかしたような気持である、かれは赧くなって衒れ、途方にくれて溜息をついた、それからひき返そうとして向き直ったとき、合戦場のほうからばらばらと敵兵が崩れたって来た。孫七は左右を見た、味方は自分ひとりである、今こそ相手を横取りされる心配はない、つまり向うから崩れたって来る敵はぜんぶ自分ひとりのものだ、そう思うとかれは身内が疼くように感じた。かれは城門を背にぬっくと立ち、槍を高くつきあげながら叫んだ、

「やあやあ、これは榊原小平太康政の家来、柿ノ木孫七郎正吉なり、われと思わん者は」

すばらしい大音でそこまで叫んだ、するとそこで事態はいっぺんに変った。崩れたって来た敵兵と、それを追い詰めて来た徳川軍の先手とがこれを聞いたのである、そして城門の前に槍をあげて立っている孫七の姿を見た、味方は「おお孫七が一番乗りをしたぞ」