Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まごしちとずんど

孫七とずんど

山本 周五郎

Lisez 孫七とずんど (まごしちとずんど) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 189 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

と呟き、いかにも心残りらしくのっしのっしと厩の前をはなれていった。寸度はもう膳部を前にして坐っていた。「どうしたんだ待ちかねたぞ、いま迎えをやろうと思っていたところだ、まあいいから坐れ」孫七郎は坐った、寸度はすぐに、「酒を持ってまいれ」と呼びたてた。

もう支度をしてあったとみえ、すぐに襖があいてひとりの若い娘が銚子を捧げてはいって来た。しもぶくれのふっくらとした、撮んでみたいようなくくれ顎の愛くるしい顔だちである、からだつきも柔かくすんなりした線で包まれ、白い素足の爪尖が桃色に潤んでいる、美人ではないが、美人を十人集めたなかでも可愛いと思わせる類のむすめだった。寸度はじっと孫七郎のようすを窺っていた、孫七郎は娘を見ていた、それがうっとりとした、どこやら性のぬけたような眼つきだった。……こいつ眼をつけたぞ、寸度はそう察して思わずにやっと微笑した。娘はぽっと頬を赤くし、髪も重げにふかく面を伏せていた。孫七郎のうっとりとした視線がいつまでもくいついているので、眼のやりばもないし、眩しくてしかたがないのである、……なんとまあぶ遠慮にごらんなさるのだろう、娘は赤くなりつつ少しむっとした。