Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Lisez 完本 たぬき汁 (たぬきじる) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 133 158 caractères · 273 écrans

Aozora Bunko

私は幼いころから、利根川の鰍に親しみ深かった。

晩秋の美味のうち、鰍の膾に勝るものは少ないと思う。肌の色はだぼ沙魚に似て黝黒のものもあれば、薄茶色の肌に瑤珞の艶をだしたのもある。しかし、藍色の鱗に不規則に雲形の斑点を浮かせ、翡翠の羽に見るあの清麗な光沢をだしたものが、至味とされている。

殊に、鰍の味と川の水温とに深い関係があった。上越国境の山々が初冬の薄雪を装い、北風に落葉が渦巻いて流れの白泡を彩り、鶺鴒の足跡が玉石の面に凍てるようになれば、谷川の水は指先を切るほどに冷たくなる。鰍の群れはこの冷たい水を喜んで、底石に絡わりながら上流へ遡ってゆく。そのころ瀬を漁る鰍押しの網に入ったものが、一番上等といえるのである。

また早春、奥山の雪が解けて、里川の河原を薄にごりの雪代水で洗うとき、遡りで漁った鰍も決して悪くはない。山女魚も鱒の子も、鮎も同じように冷たい水に棲んでいるものほど、骨と頭がやわらかであるが、殊に鰍は晩秋がくると、こまやかな脂肪が皮肉の間に乗って、川魚特有の薄淡の風味のうちに、舌端に熔ける甘膩を添えるのだ。

奥上州の、空に聳える雪の武尊山の谷間から流れでる発知川と、川場川を合わせる薄根川。