Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 748 caractères · 254 écrans
「俺も余程どうかしてるわい」
こう言って、達雄は笑に紛らした。お種は不思議そうに夫の顔を眺めたが、ふとその時心の内で、
「まあ、旦那が手を切るなんて……今までに無い事だ」
と不審しく思って見た。
乗りつづけに乗って行った達雄夫婦は、その晩遅く、疲れて、国府津の宿まで着いた。
波の音が耳について、山から行った人達は一晩中碌に眠られなかった。海の見える国府津の旅舎で、達雄夫婦は一緒に朝飯を食った。
お種は多忙しい夫の身の上を案じて、こんな風に言出した。
「貴方――もし御多忙しいようでしたらここから帰って用を達して下さい。最早船に乗るだけの話で、海さえ平穏なら伊東へ着くのは造作ない――私独りで行きます」
「そうか……そうして貰えると、俺も大きに難有い……しかし、お前独りで大丈夫かナ」と達雄が言った。
「大丈夫にも何にも。ここまで貴方に送って頂けば沢山です。初めての旅ではないし、それに伊東へ行けば多分林さん御夫婦や御隠居さんが来ていらっしゃるで、何にも心配なことは有りません」
「じゃあ、ここでお前に別れるとしよう……こうっと、俺はこれから直に東京へ引返して、銀行の方の用達をしてト……大多忙」