Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いえ

家

島崎 藤村

Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 748 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

と宗蔵は思出したように、「奥の床の間を見給え、文晁のイカモノが掛かってる。僕ならば友達の書いた物でも可いからホンモノを掛けて楽むネ」こう言って、何もかも不平で堪えられないような、病人らしい、可傷しい眼付をした。「僕に言わせると、ここの家の遣方は丁度あの文晁だ……皆な虚偽だ……虚偽の生活だ……」

あまり宗蔵が無遠慮な悪口をつき始めたので、お倉は夫の重荷を憐むような口調に成って行った。

「そう宗さんのように坊さんみたようなこと言ったって……何も交際の道具ですもの……もともと有って始めた事業じゃないんですもの……贅沢だ、贅沢だと言う人から、すこし考えてくれなくちゃ――こんな御菜じゃ食われないの、何のッて」と言ってお倉は三吉の方を見て、「ねえ三吉さん、兄さんにお刺身を取ったって、家の者に附けない時は有りまさあね」

「食わないのは、損だから……」

こう宗蔵は捨鉢の本性を顕わして、左の手で巻煙草を吸付けた。

その時、「三吉さん、御帰りだそうですね」と声を掛けながら、格子戸を開けて入って来た人があった。この人は稲垣と言って、近くに家を借りて、実の事業を助けている。