Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 748 caractères · 254 écrans
「今ね、家へ帰って、飯を一ぱいやってそれから出て来ました」と稲垣は煙草入を取出した。「三吉さんが御帰りなすったと言うから、それじあ一つ見て来ようと思いまして――今日は工場へ行く、銀行を廻るネ、大多忙」
「どうも毎日御苦労様で御座います」とお倉が言う。
「いえ、姉さんの前ですけれど」と稲垣は元気よく、「これで車が一つガタリと動いて御覧なさい、それこそ大変な話ですぜ――万や二万の話じゃ有りませんぜ。私なぞは、どうお金を使用おうかと思って、今からそれを心配してる」
「真実に稲垣さんは御話がウマイから」とお倉は笑った。
「まあ、君なぞはそんな夢を見ていたまえ」と宗蔵も笑って、「時に、稲垣君、この頃はエライ芝居を打ったネ」
「え……八王子の……あの話は最早しッこなし」と稲垣は手を振る。
「実は、今、あの話を三吉さんにしましたところですよ」とお倉は力を入れて、「何卒まあ事業の方も好い具合にまいりますと……」
「姉さん、そんな御心配は……決して……実兄さんという人がちゃんと付いてます」
この稲垣の調子は、何処までも実に信頼しているように聞えた。それにお倉は稍々力を得た。
娘のお俊は奥座敷の方へ行って独りで何かしていたが、その時母の傍へ来た。