Classiques japonais avec furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lisez 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) de 小出 楢重 (こいでならしげ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 334 351 caractères · 657 écrans
まだその他あの男女の間が頗るややこしいとかこの品物が本ものか偽物か甚だややこしいとかいう事もいえるのである。怪しげな男の事をややこしい男ともいう。あるいは六つかしき事にも用い、恋愛が破れかかる時にもややこしいと称し、成立しかかる時にもややこしいという。あるいはいいのか拙いのかわからぬが多少下手に近い絵の前へ立った時、ややこしい絵だとも評するし、髭面の気ぶしょうな男の顔を見てややこしい顔してますといったりする。
ぞける、というのは、もう月経も閉止する時分であるにかかわらず、急に何を感じてか、赤い襟をかけ出したり、急に素晴らしいネクタイをつけたり、禿頭へ香水をふりかけて見たりし出した時に用うべき言葉である。近頃彼は急にぞけ出したとかいう。
しんどいとは、全くくたびれたという上にもっとなまぬるい複雑性が入り込んでいる処の、もっと軽い意味の、そしてどこかに深刻味のある、微妙なくたびれの心もちであり、一種のびやかな漫然としたつかれ心地を表すためにああしんどとかしんどうてたまらぬとかいう、これも東京ではどんな言葉でいい表していいか私には見当がつき兼ねる。
もっさりするという言葉は、何んでも本筋のものでなく田舎風で野暮でそのくせ気取っている処の、しかもしゃれてはいない処の、上等でもなく、美しくもない、多少きざに見える