Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Lisez 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) de 徳冨 蘆花 (とくとみろか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 742 caractères · 256 écrans

Aozora Bunko

「これは――持って――行きますよ」

新たにわき来る涙をおさえて、加藤夫人はただうなずきたり。浪子は目を閉じぬ。ややありてまた開きつ。

「どうしていらッしゃる――でしょう?」

「武男さんはもう台湾に着いて、きっといろいろこっちを思いやっていなさるでしょう。近くにさえいなされば、どうともして、ね、――そうおとうさまもおっしゃっておいでだけれども――浪さん、あんたの心尽くしはきっとわたしが――手紙も確かに届けるから」

ほのかなる笑は浪子の唇に上りしが、たちまち色なき頬のあたり紅をさし来たり、胸は波うち、燃ゆばかり熱き涙はらはらと苦しき息をつき、

「ああつらい! つらい! もう――もう婦人なんぞに――生まれはしませんよ。――あああ!」

眉をあつめ胸をおさえて、浪子は身をもだえつ。急に医を呼びつつ赤酒を含ませんとする加藤夫人の手にすがりて半ば起き上がり、生命を縮むるせきとともに、肺を絞って一盞の紅血を吐きつ。々として臥床の上に倒れぬ。

医とともに、皆入りぬ。

九の三

医師は騒がず看護婦を呼びて、応急の手段を施しつ。さしずして寝床に近き玻璃窓を開かせたり。

涼しき空気は一陣水のごとく流れ込みぬ。