Classiques japonais avec furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lisez 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) de 正岡 容 (まさおかいるる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 163 270 caractères · 325 écrans
「サ、始めてみろ噺を。エーエーをいうんじゃねえぞ」
顎でしゃくった。
「ヘイ」
肯いて首の座へ直ったが開口一番、
「エー申し上げます」
すぐその「エー」をいってしまった。
ア……しまったと首をちぢめたとたん、
「エイ」
早くも裂帛の気合とともに、ピシーリ。圓生の手の白い碁石が小圓太のほうへ投げつけられていた。危うく碁石は耳許を掠って後へ落ちた。
「……その何でございます、とかくお噺というものは」
少しまごまごしてこんな意味のないことを喋ってしまったのち、
「なるがだけ我々同様というエー」
ピシーリ――ア、いけないまたいっちまった。
「いえその愚かしいエーエー」
ピシリピシーリ。――いけない二つだ。
「エー者が」
ピシーリ。――まただよ、どうも。
あわてるとついかえっていってしまう「エー」なのだった。
「その、あらわれて参りませんとお噺になりませんようで、八さん熊さんというこれが我々のほうの大達者でございまして、いったいどこに住んでいる人たちですかかいくれ分らないのでございますが、よく現れて参ります」
めずらしく今度は「エー」をいわなかった。――どうだイ、エヘどんなもんだい。