Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こさかいふぼくしスケッチ

小酒井不木氏スケッチ

国枝 史郎

Lisez 小酒井不木氏スケッチ (こさかいふぼくしスケッチ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 809 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

狭い額の人間など、往々例外はあるにしても、先ず滅多に博士には成れない。眼は全く微妙である、瞶る時には充分に鋭く、瞶めない時には軟い。だが最も特色的なのは、笑われる時の鼻皺であろう。鼻皺を寄せて笑われる時、博士号は未練無く影を潜め、「田園の長者」の面影が――もっと雑言を許されるなら、村風子の面影が現われる。これは全く訪問者に執っては、何より有難い現象である。氏が常時博士で居られては、些少訪問者は窮屈である。全く時々には田園の長者の、質朴穏和な風貌に、接しなければ呼吸詰るだろう。……と、こんなように書いてくれば、では氏は常時博士で居られ、只時々に田園の長者を、発揮するのかと訊く人があろう。そこで私はお答えしよう。いや実は反対なのであると。氏は大方の場合には、田園の長者振の持主であるが、遇々相手を瞶められる時、博士の威厳が眉宇に現われ、寄っ付けない程に鋭くなると。

氏は非常に話上手であるが、それより一層聞き上手である。此の書斎へ通る程の、九分九厘迄の訪問者は、脂を嘗めさせられた蛙のように、自分の腸を自分の手で、引き出して了うに相違無い。腸を引き出すという点では、氏は将しく外科医である。