Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こさかいふぼくしスケッチ

小酒井不木氏スケッチ

国枝 史郎

Lisez 小酒井不木氏スケッチ (こさかいふぼくしスケッチ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 809 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

理想境へは手が届かない。届きもしない癖に利用したがる。政党などを見るがいい。行き詰まった場合に振り翳すのが、この神聖なる是々非々主義である。文壇の批評とて然うでは無いか。俺は厳正に批評するよ。こう云って行う其批評、大方甚不厳正である。向うの先輩へ遠慮をし、此方の同輩へわたりを付け、更に後輩へ因果を含め、さて其上での厳正批評即ち斯ういう厳正批評は――言い換えると批評の是々非々主義は、不徹底の別名と云ってよかろう。それより一切はたき込んで了え、乃至は一切褒めて了え、この批評の方が徹底している。

小酒井不木氏の批評の立場は、即ち第二のものである。

氏と雖欠点はある。偽悪家を以て任ずることなど、その一つに数えてよかろう。「こんな様子はしていても、作中で惨酷を扱うのですから、私は悪人かも知れませんよ」こう云ったような意味のことを、氏は時々洩らされる。大いに凄がろうとするのである。併し私の考えからすれば、偶像にされまいとする心理から来た、「逃げ」の一手としか思われない。この一手失敗である。偶像にされまいと努力する人は、大方偶像にされるものであり、偶像にされようと努力する人は、却って偶像にされないばかりか、ポンチ画の材料にされるものである。