Classiques japonais avec furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Lisez 工場細胞 (こうじょうさいぼう) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 234 caractères · 184 écrans
森本は始め「ホオッ!」と思った。皆が服の袖に手を通しながら、その前に立っていた。
告
皆サンモ知ッテイル通リ、本日何者カヾ当工場ニ「失業者大会」ノビラヲ撒イテ行キマシタ。云ウマデモナク最近ノ不況ハドシ/\失業者ヲ街頭ニ投ゲ出シテ居リ、ソレハ全く見ルニ忍ビナイモノサエアルノデス。然シ我工場ハ幸イニシテ、皆サンノ勤勉努力にヨッテ、ソノ些々タル影響モ受ケテイナイノデアリマス。一度工場外ニ足ヲフミ出シテ見レバ分ル通リ、当工場ハマサニ「Yノフォード」タル名ニ恥シクナイ充分ノ待遇ヲ、ソノ時間ノ点カラ云ッテモ、ソノ賃銀ノ上カラ云ッテモ、皆サンニ与エテ居ルノデアリマスカラ、コノ際決シテ、カヽル宣伝ニ附和雷同セザル様、呉々モ申述ベテ置ク次第デアリマス。
右工場長
森本はそれを読むのに何故かあせりを感じて、字を飛ばした。
――チエッ! 行きとゞいてやがる!
彼はその言葉が、自分ながら不覚にもかぶとを脱いだ心のゆるみを出しているのにハッとした。彼は油っぽい形のくずれた鳥打ちを無雑作にかぶった。
工場の前の狭い通りを、その幅を一杯にみたして、職工や女工が同じ方向へ流れていた。