Classiques japonais avec furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Lisez 工場細胞 (こうじょうさいぼう) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 234 caractères · 184 écrans
しばらくして、赤い着物をきた雑役が、色々な「世帯道具」――その雑役はそんなことを云った――を運んできてくれた。
「どうした? 眼が赤いようだな。」
と、俺を見て云った――
「なに、じき慣れるさ。」
俺は相手から顔をそむけて、
「バカ! 共産党が泣くかい。」
と云った。
箒。ハタキ。渋紙で作った塵取。タン壺。雑巾。
蓋付きの茶碗二個。皿一枚。ワッパ一箇。箸一ぜん。――それだけ入っている食器箱。フキン一枚。土瓶。湯呑茶碗一個。
黒い漆塗の便器。洗面器。清水桶。排水桶。ヒシャク一個。
縁のない畳一枚。玩具のような足の低い蚊帳。
それに番号の片と針と糸を渡されたので、俺は着物の襟にそれを縫いつけた。そして、こっそり小さい円るい鏡に写してみた。すると急に自分の顔が罪人になって見えてきた。俺は急いで鏡を机の上に伏せてしまった。
雑役が用事の最後に、ニヤ/\笑いながら云った。
「お前さん今度が初めてだね。これで一通りの道具はちゃアんと揃ってるもんだろう。これからこの室が長い間のお前さんのアパアトになるわけさ。だから、自分でキチン/\と綺麗にしておいた方がいゝよ。そしたら却々愛着が出るもんだ。