Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Lisez 工場細胞 (こうじょうさいぼう) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 234 caractères · 184 écrans

Aozora Bunko

それから青年団の演説もキッパリやめてしまった。

もう一人の鈴木とは前に一寸しか会っていなかった。神経質らしい、一番鋭い顔をしていた。何時でも不機嫌らしく口数が少なかったので、森本にはまだ親しみが出ていなかった。彼は膝を抱えて、身体をゆすっていたが、煙を出すために窓を開けた。急に、波のような音が入ってきた。下のアスファルトをゾロ/\と、しっきりなしに人達が歩いている。その足音だった。多燈式照明燈が両側から腕をのばして、その下に夜店が並んでいた。――植木屋、古本屋、万年筆屋、果物屋、支那人、大学帽……。人達は、方向のちがった二本の幅広い調帯のように、両側を流れていた。何時迄見ていてもそれに切れ目が来ない。

――暇な人間も多いんだな。

――鈴木君、顔を出すと危いど。

河田が謄写版刷りの番号を揃えていたが、顔をあげた。

――顔を出すと危いか。ハヽヽヽ、汽車に乗ったようだな。

――じァ、やっちまうか……。

灰皿を取り囲んで四人が坐った。

――森本君とはまだ二度しか会っていないから、或いは僕等の態度がよく分っていないかと思うんだ……。

河田は眉をひそめながらバットをせわしく吸った。