Classiques japonais avec furigana
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ゆうれいせんのひみつ
幽霊船の秘密
海野 十三
Lisez 幽霊船の秘密 (ゆうれいせんのひみつ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 846 caractères · 62 écrans
あの親しかった仲間の誰かれは、一体どうなったのであろうか。なにごとかはわからないが、この二号艇の乗組員たちをみな殺しにした不吉な死の影は、いつまた一号艇のうえにおちてくるか分らないのだ。
古谷局長は、さっきからだまりこくって、二号艇の無慚な光景にむかっていた。彼は、あの二号艇にのりこんでいた部下の丸尾技士の安否について、いろいろと考えていたのだ。あの好青年も、ついにおなじ脱れられない運命のもとに死んでいったのであろう。ひょっとすると、あそこに散らばっている千切れた手首が、電鍵を握ってはかなうもののない、あの丸尾技士の手首であるかもしれないのだ。そんな風な、なさけない想いに胸をいためていた古谷局長の眼にさっきから灼きついて離れない二号艇の底にころがっている一つの手首があった。その手首は、なにか口でもあるかのように、局長によびかけているようであった。
「はて――」
局長は、櫂を借りて、二号艇の血の海のなかから、気になるその手首をそっとすくいあげた。そしてそのまま手もとへひきよせたのである。
「うむ、やっぱりそうだった」
局長の眼が光った。彼は佐伯船長の方をむいて叫んだ。