Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lisez 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 333 caractères · 385 écrans

Aozora Bunko

その上彼はこの婦人の机の上に、筮竹も算木も天眼鏡もないのを不思議に眺めた。婆さんは机の上に乗っている細長い袋の中からちゃらちゃらと音をさせて、穴の開いた銭を九つ出した。敬太郎は始めてこれが看板に「文銭占ない」とある文銭なるものだろうと推察したが、さてこの九枚の文銭が、暗い中で自分を操っている運命の糸と、どんな関係を有っているか、固より想像し得るはずがないので、ただそこに鋳出された模様と、それがしまってあった袋とを見比べるだけで、何事も云わずにいた。袋は能装束の切れ端か、懸物の表具の余りで拵らえたらしく、金の糸が所々に光っているけれども、だいぶ古いものと見えて、手擦と時代のため、派手な色を全く失っていた。

婆さんは年寄に似合わない白い繊麗な指で、九枚の文銭を三枚ずつ三列に並べたが、ひょっと顔を上げて、「身の上を御覧ですか」と聞いた。

「さあ一生涯の事を一度に聞いておいても損はないが、それよりか今ここでどうしたらいいか、その方をきめてかかる方が僕には大切らしいから、まあそれを一つ願おう」

婆さんはそうですかと答えたが、それで御年はとまた敬太郎の年齢を尋ねた。