Classiques japonais avec furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lisez 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 72 034 caractères · 142 écrans
多寡が拳銃一梃。もうすこし近寄って来やがったら、誰か一人ぶっ喰らわされているうちに、皆がかりで殺っつけてしまう。
ところが、冷静な教授の頭脳には、防衛と攻撃の両全の法に対する緻密な距離の計算ができ上っていた。ちょうど二十フィートほどのところに立ちどまって、そこから一歩も進もうとはしなかった。
教授は、ソロソロと銃口を上げて行って、まともに篁の胸を狙いはじめた。
いよいよ、最後の瞬間が来た。三十五日のひどい苦労も、これで虻蜂とらずになる。ただ、流刑地の三角洲から百五十里ほど日本に近いところで死ねるということだけが皆の慰めだった。
曳金にかかった教授の指が、ピクッと痙攣した。篁は、大きな眼玉をギョロつかせてそれを眺めながら、日本語で、三人だけに聞えるように囁いた。
「野郎のピストルには、弾丸が四発しかねえのだから、一発で一人ずつ殺ったとしても、誰か一人残るわけだ。残ったやつは、あの野郎と女を殺めて、どんなことがあっても、日本まで帰れよ」
三人は、うん、と頷いた。
それにしても、誰が残るだろう? 博士か? ……博士に対する教授の憎しみの感情だけでも、とても博士を生かしてはおくまい。