Classiques japonais avec furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lisez 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 72 034 caractères · 142 écrans
刳舟は三間以上もあり、七人がゆっくり坐れるほどの広さをもっていた。舳にはナターシャとモローゾフ教授が坐り、艫には、博士が坐を占めた。四人の漁夫は、一列になって刳舟の底へあぐらをかき、教授の拳銃の筒先の活殺自在な調整に従って、舟の速度と方向を変えてゆくのだった。
櫂の音に驚いて、長頸竜が駝鳥のような頸をひょっくり水の上に現わしたり、沼の浅いところで肺魚が泳いでいたりする。すると、教授はその方へ舳を向けさせ、丹念に観察したりスケッチをしたりする。時には、沼の上に半日も舟を停めて、長頸竜や翼手竜の生態を二十通りにも写生をする。ナターシャは、その間、拳銃を膝の上へおいて、囚人監視人の役目をつとめるのだった。
そんなわけで、三日目になっても、舟は沼の中ほどのところまでしか進まない。漕手はすっかり退屈して、かわるがわる居眠りをする。ただひとり、銛師の北原だけは、暇さえあれば、沼の岸でひろった硬い泥炭の塊でコツコツと銛を作っていた。どうしても雷竜に一矢をむくいるつもりらしかった。
七日目の朝になって、ようやく向う岸が見えるところまで近づいた。対岸には、異様な褶曲をもった高い丘がつづき、切り立った断面に洞門の黒い口が見え、沼の水が激しい水路をつくりながら、その中へ流れ込んでいる。