Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こいのでんしちろう
恋の伝七郎
山本 周五郎
Lisez 恋の伝七郎 (こいのでんしちろう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 650 caractères · 60 écrans
と凛とした声で云った、「そして村松さまは、もうお死になすったのも同様でございます」そう云うのを聞いたのだろう、伝七郎はかなしばりが解けでもしたように、そこへくたくたと尻餅をつき、「斬った、銀之丞を斬った」と情けない声をあげて笑いだした、要するに彼は二ど笑ったわけである、だが二どめの情けない笑い声のなかに、どんなに豊かな力づよい自覚があったかということは、当人以外には知ることができないに違いない。
「おれは知ったよ」と、伝七郎は云う。暗がりの道を梁瀬川の渡し場の方へ歩きながら、忠太郎と三枝に向って彼は能弁に語る、「世の中で立ってゆくには銀之丞のようでなくてはいけない、相貌も秀で、学問にも武芸にもぬきんでていなくては駄目だ、おれのように愚鈍な生れつきの者は、隅にひっこんで首を縮めているより仕方がない、そう思っていた。だがそれは間違いだった、伝七郎は伝七郎でりっぱなものなんだ、忠太は忠太でそのままりっぱなんだ、いけないのは自分から駄目だと思うことなんだ、わかるか忠公」「いち言もねえ、おらあ世の中がまるで変ったようにみえらあ」「銀之丞はあれでおしまいだ、三枝どのの仰しゃるとおり、銀之丞はもう福山藩では生きてはゆかれない、なぜだ、……それに反しておれはこれからだ、おれの生涯はこれから始まる