Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おそろしきつや

恐しき通夜

海野 十三

Lisez 恐しき通夜 (おそろしきつや) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 092 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

何とかして二人を引離す頓智はないものかと考えたが、咄嗟のこととて巧い術策が浮かんでこない。

望遠鏡を目にあてて、よくよく眺めてみると、歯を剥いて追っかけている方は、熊内中尉だった。追いかけられているのは竹花中尉、中尉の顔が、丁度雲間から現われた斜陽を真正面に浴びて、儂のレンズの底にハッキリと映じたが、彼は飛行帽も眼鏡もかなぐり捨てて、片手を空しく顔前にうち振り、彼の顔はキリストの前に立った罪人のように、百の憐愍を請うているのだった。『おれが悪かった! 何でも後から相談に応じるから、おれを死なせないで呉れ給え』と、そんな風に見える真青の顔だった。そして尚も、助かろうとして逃げた。竹花中尉には、熊内中尉の恐ろしい決心のほどが、ハッキリと判るのだった。

実は二人の間には、こんな訳があるのだった。二人は元々K県出の、たいへん仲の善い僚友だったが、あの事件の時から一年程前に、儂も識っているがAという若い女が、二人の間近かに現われてからというものは、急に二人は背いて行った。そのAという女は、非常に眼と唇とのうつくしい、そして色がぬけるように白くて、真紅な帯や、真紅な模様の羽織なんかがよく似合う少女だった。