Classiques japonais avec furigana
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おそろしきつや
恐しき通夜
海野 十三
Lisez 恐しき通夜 (おそろしきつや) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 092 caractères · 30 écrans
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大尉は専ら指揮を、理学士は器械部の目盛を読むことを、そして軍医がモルモットの動物反応を記録するのが役目だった。この三人の学者は、毎時間に、五分間を観測と記録に費すと、故障の突発しないかぎり、あとの五十五分間というものを過ごすのに、はなはだ退屈を感ずるのだった。
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「この調子で、暁け方まで頑張るのは、ちと辛いね」と大蘆原軍医が、ポケット・ウィスキーの小さいアルミニューム製のコップを、コトリと卓上の上に置きながら云うのだった。
「軍医どのの栄螺料理が無ければ、儂は五十五分間ずつ寝るつもりだった」と川波大尉が、ポカポカ湯気のあがっている真黒の栄螺の壺を片手にとりあげ、お汁をチュッと吸ってから、そう云った。
「大蘆原軍医殿は、この栄螺の内臓を珍重されるようだが、僕はこんな味のものだとは、今日の今日まで知らなかった」と、星宮理学士は、長い箸を器用に使って、黄色味がかったプリプリするものを挾みあげると、ヒョイと口の中に抛りこんで、ムシャムシャと甘味そうに喰べた。
「そうです、これは一種異様の味がするでしょう。お気に入りましたか星宮君」と軍医は照れたような薄笑いを浮べ、ダンディらしい星宮理学士の口許に射るような視線をおくった。