Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

Lisez 恐怖の口笛 (きょうふのくちぶえ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 60 713 caractères · 122 écrans

Aozora Bunko

絞殺されたのかしら」と一郎は目を瞠った。「それにしても、胸許を染めている鮮血はどうしたというのだろう」

絞殺に鮮血が噴きでるというのは可笑しかった。なにかこれは別の傷口がなければならない。一郎は愛弟四郎の屍体に顔を近づけた。そして注意ぶかく、屍体の頭に手をかけると首をすこし曲げてみた。

「ああ、これは……」

屍体の咽喉部は、真紅な血糊でもって一面に惨たらしく彩られていたが、そのとき頸部の左側に、突然パックリと一寸ばかりの傷口が開いた。それは何で傷けたものか、ひどく肉が裂けていた。その傷口からは、待ちうけていたように、また新しい血潮がドクドクと湧きだした。一郎はハッと屍体から手を離した。血潮は頸部を伝わって、スーッと走り落ちた。――何者かが頸動脈を切り裂いたのに違いなかった。

「なんという惨たらしい殺し方だ。頸を締めたうえに、頸動脈まで切り裂くとは……」

だが、これは随分御丁寧な殺し方である。それほど四郎は、人の恨みを買っていたのだろうか。いやそんな筈はない。誰にも好かれる彼に、そんな惨酷な手を加える者はない筈だった。――一郎は、不審にたえない面持で、もう一度創傷を覗きこんだ。