Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うらみなきさつじん

恨なき殺人

宮島 資夫

Lisez 恨なき殺人 (うらみなきさつじん) de 宮島 資夫 (みやじますけお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 611 caractères · 56 écrans

Aozora Bunko

五

村の娘を相手にして、少しばかりの酒を飲んで、夜風に吹かれて帰って来た時には、石山はもう寝てしまっていた。池田はホッと安心したような、好い機会を失ったのを惜しむような妙な気持ちになっていた。

明る朝、何時ものように現場に出かける時、池田は、

「これでもう済みかなあ」と沼田に言った。

「すみさ、どうせ奴等のするこたあこんなものよ」と沼田はうそぶいていた。

期待していたほどにもなく済む事のために、自分の生活を動揺させられるのは、随分馬鹿らしいことだと思った。けれどもそれと共に、このことが、何か長い退屈を忘れさせてくれたとも思っていた。そして彼は現場に出ると、何時ものように真暗な坑内を歩いたり、帳面をつけたりしていた。

萩野は彼の顔を見ると、

「別に騒ぎにもなりませんでしたか」と、嬉し相に言っていた。

五

二三日経ってから、池田は東京にいる母親から、鉱主に呼ばれて、お前の不品行を散々聞かされた。年とった母親に、もう余り心配させてくれるな――と、クドクドと書いた手紙を受取った。

けれども彼は、下の茶屋へ出掛けて行って、村の娘にからかうことは止めなかった。休みの日に当直をした時には、坑夫と一緒に酔っ払って、飯場や長屋を騒ぎ廻って歩いていたが、石山も阿部も報告をしなくなったとみえて、鉱主からは再び何とも言って来なかった。