Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うらみなきさつじん

恨なき殺人

宮島 資夫

Lisez 恨なき殺人 (うらみなきさつじん) de 宮島 資夫 (みやじますけお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 611 caractères · 56 écrans

Aozora Bunko

「裏で支度をしているところでさ」と、萩野はそっと裏口の方を指した。

「じゃ、裏で話を聞いてみようじゃないか」

池田は萩野を促して裏口の方へ廻った。

薄暗い風呂場の中で、生温い水で手足の泥を洗い落していた松田は、二人の顔を見ると、一寸会釈をした。が、細面の顔は何となく蒼ざめていた。

二人はその傍に腰を下して、松田の支度が済むのを待っていた。身体を洗ってから、単衣物に着かえると、松田は二人のところへ来て、

「どうも飛んだ御迷惑をかけて済みませんでした」と頭を下げた。

「迷惑も何もないが、何だって人なんか切ったんだい」と池田が訊いた。

「どうも済まないことをした。来る早々こんなことをやっちゃって、鈴木の伯父御には何とも申訳けがないもんだから、つい愚図愚図してしまって」と、若々しい顔にも、暗いくもりを見せていた。

「仕方がないさ、時のはずみだ」

萩野はなだめるように言ってから、

「お前一体どうして寅を切ったんだか、話してみろ」とまた訊ねた。

松田はしばらくジッと考えていたが、

「どうも頭ん中が、こんがらかって、何が先きだか忘れちゃった」と言いながら話し出した。

祭りがあったのは、松田がこの山に来てから四日目であった。