Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lisez 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 280 caractères · 301 écrans
幸い、日もとっぷりと暮れて、窓の外は真暗になっていた。冒険にはお誂え向きの時間である。
「ボツボツ、ブリッジへ出ていましょう。今に急勾配にさしかかりますから」
二人は何気なく、鞄を下げて、後部のブリッジへ忍び出た。幸い、車掌の姿もなく、こちらを注意している乗客も見当らなかった。
やがて、トンネルを知らせる短い汽笛が鳴り響くと、汽車の速度が目に見えて減じて行った。ボッボッボッという機関の音、黒煙に混って、火の粉が美しく空を飛んで行く。
「サア、ここです」
博士の声を合図に、二つのスーツ・ケースが闇の土手下へ投げ出された。つづいて博士の手が鉄棒を離れると見るや、まん丸な肉団となって、サーッと地上へ。印半纒の川手氏もおくれず、闇の中へ身を躍らせた。
線路の土手の草の上を、二つのスーツ・ケースと、二つの肉団とが、相前後して、コロコロと転がり落ち、下の畑に折り重なって倒れた。
暫らくして闇の中に低い声が聞えた。
「大丈夫ですか」
「大丈夫です。飛び降りなんて、存外訳のないものですね」
川手氏は数十年来経験せぬ冒険に、腕白小僧の少年時代を思い出したのか、ひどく上機嫌であった。