Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lisez 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 280 caractères · 301 écrans
やっぱり猿かなんかのいたずらですよと、老夫婦は笑い話にしてしまったが、川手氏はどうも納得が行かなかった。何かしら身近に、人の匂が感じられた。妖気とでもいうようなものが、ひしひしと身に迫るのを覚えた。
すると、その晩のことである。
川手氏は深夜また目が覚めて、どこからか漏れて来る人の話声を聞いた。そして、前の晩と同じように、手燭をつけて小用に起きた。今夜もひょっとしたら、あの笑い声がするかも知れない。川手氏は覚悟をきめて耳を澄ましていた。今度こそ鳥の鳴き声か人間の声か聞き分けてやろう。
窓から覗いた空には、やっぱり星がなかった。そよとの風もない梢に、カサコソと不気味な音がしていた。
突然、アア、又してもあの笑い声だ、若い女が、袂で口を蔽って、身体を曲げて、忍び笑いをしているような、あの笑い声だ。川手氏は目の前に、その若い女の白い顔が見えるような気がした。
今夜こそ正体を見現わさないでおくものか。かねて心に定めて置いた通り、川手氏は急いでそこを出ると、音のせぬように、廊下の端の雨戸の枢をはずし、ソッと引き開けて、真暗な庭の声のしたと思われる箇所へ手燭をさしつけた。